第3号 : 予測のつかない大学生活

経営学部経営学科2年 田中 裕太 (出身高校:大阪府立刀根山高校)

どうしても大学でやりたかったこと

私が大学で学びたかったのは「観光」である。ただそれを学びたかったので、この大学に入学することが決まったとき、正直に話せば経営や環境にはほとんど興味がなかった。
しかし、入学後に観光分野の講義は2年次以降の開講であることを知った。このまま一年次を漫然と単位を取ることに明け暮れるぐらいなら、観光を知っていそうな人とのつながりを作り、観光について研究できる「場所」を確保したほうが楽しく大学生活を送れるのではないかと思い、自ら動いてみることにした。
まず初めに場所を確保した。鳥取市に「鳥取市若者会議」(以下、若者会議)という組織があった。そこでは、「鳥取市内の観光資源を活かした新たなツアープランの作成」を2年かけて研究している。その会議のメンバーは社会人も含む幅広い分野や業種の人たちが参加している。そのため、自然と自分の周りに「大学生らしくない交友・交遊関係・空間」が産み出されていくことになった。
具体例として、大学内に「イノベーション研究センター(以下、イノ研)」という組織がある。この組織は、私が入学した年に、改組して大学の付属機関となったのだが、私は、学生としては初めてイノ研の門を叩いた。そこには、大学の中とは思えない狭いスペースで鳥取の様々な問題をテーマにして研究している方々がおり、私が求めていた「観光を知っていそうな人」をすごく近いところに見つけることができた。それからは、定期的にイノ研に行って、知りたいことをできる限り聞いて、自分の研究に活かすようにしている。

組織マネジメントの体験

定期的にイノ研の先生方と交流を重ね、それを若者会議に活かしてより良い研究が進むかと思われた。しかし、何事もそうそううまくいく訳ではなかった。若者会議は社会人のメンバーも含まれるので、頻繁に集まれるわけではない。「大学生女子を対象とした癒しの旅」を設定するだけでかなり時間を要した。私はこの会議の会長も任されていたので、組織のマネジメントを実践する機会ともなり、いろいろ難しいことも出てきた。
ただ、そういう困難なことに直面してもすぐに解決することに走らず、とにかく「楽しくする、させる」ことに重きを置いた。食事会を開いたして、メンバー間の意志疎通をしやすくしたこともあった。
こういった経験は大学の中でも活用できた。進んでお菓子や飲み物を用意して、テスト直前期に勉強会を開いて友達と親密になり友達も増やしたり、そこからまた新たなことをしてみたり・・・といった具合である。

学外の活動

大学の中だけではない。若者会議以外にも大学の外でも経験を積むような場面がある。
1回生の夏季休暇中に「鳥取まんが博」の会場スタッフのバイトをしたことがある。それも、某有名ディズニーキャラクターのツアーガイドだ。ただスタッフという仕事をするのではなく、ツアーガイドという役柄をまんが博でのアトラクションという舞台で「演じる」キャストのようなものであった。初日の時点で完璧なガイドなどできるはずもなく、毎日が反省の連続だった。2ケ月近くほぼ毎日、担当のディレクターからは無茶ぶりともとれるツッコミを受け、最終的には「ガイドっぽくないツアーガイド」というキツくも有難い評価をそのディレクターからもらってしまった。
スタッフのほとんどが違う大学の学生ばかりだったので、今でも時々会ったり飲み会を開いたりして、交流を続けている。

振り返りと高校生へのメッセージ

大学に入学してから、今までのことを振り返ってみると、高校までの自分の立ち位置みたいなこと、たとえば、してみたいことだったり、考え方だったりといったものは、大学に入ってからガラリと変わってしまったと思う。20時間ちょっとで鳥取から実家に帰省して、またすぐ鳥取に戻ってくるような状況で、実家でお盆らしく過ごす時間もできず、家族から恨み節を聞かされる立場になろうとは、一体誰が予測しただろうか。
高校時代には考えられないような現在の自分がある。
もっとも、予測のつく学生生活なんてあまりにもつまらなくてしんどいだろうし、何よりも長続きしないと思う。わからないことを楽しむ、大学生にしかできないことを「この鳥取で」できることは、私にとって一番予測のつかないわからないことだった。しかし、そのことを十分楽しめていると思う。

学生座談会